離散選択モデルに関するこのブログ内の記事はこちら
→ [タグ : DiscreteChoiceModel]
前回のエントリーではロジットモデルと Gumbel 分布の関係について書きました。今回はロジットモデルに関連したログサム変数についてです。
ログサム変数
ロジットモデルに対応したログサム変数はロジットモデルの正規化項の対数
\begin{align*}
V^*=\frac1\beta\ln\bigg(\sum_i \exp(\beta V_i)\bigg)
\end{align*}のように定義されます。ここで \(V_i\) はロジットモデルに現れる非ランダム効用の項で、\(\beta\) は分散パラメータ(逆温度)です。
なんだか不思議な形をしていますね。
しかし物理次元は V の次元になっていて、しかもよく見てみるとなんらかの平均操作を行っているような式の形になっています。どういうことかというと、一般化平均の式
\begin{align*}
\displaystyle f^{-1}\bigg(\frac1n\sum_if(x_i)\bigg)
\end{align*}において f を指数関数だと思った式と定数項を除いて同じ形になっている、という意味です(ちなみに f(x)=x とすれば普通の平均で、f(x)=1/x とすれば調和平均)。
このログサム変数にはいったいどのような意味があるのでしょうか?